春の藍染めワークショップ2021-「染めなおし」という選択肢を暮らしに-

イベント報告

2021年5月1日(土)

毎年春と秋に、木更津市在住の染色作家・下道千晶さんをお招きして開催する藍染めワークショップ。今年はGW初日に開催しました!当日はあいにくの空模様につき、急遽会場を移して、西千葉工作室の裏庭での実施となりました。しとしと雨の降る中でしたが、午前・午後の部共に増枠分も満員御礼!たくさんの洋服たちが、新たな装いへと生まれ変わりました。

選ぶことからはじまる暮らしの中のSDGs

手を動かす前に、ちょっとした座学の時間。講師の下道さんはアパレルメーカーのデザイナー経験をもとに、今は藍染めを通じた染めなおしの提案や、暮らしに纏わるSDGsの取り組みを発信されています。服が生まれる生産現場のお話や、下道さんが独立して藍染めのプロジェクトを始めたきっかけをお話いただきました。

私たちが身に着けている衣服は、原料の調達から製造、輸送、廃棄に至るまでに大量の二酸化炭素を排出しています。なんと生産された衣服の85%(!)はゴミとして破棄されているそう。焼却処分時の環境負荷は大きな課題となっていて、解決へのアプローチが社会的なテーマになりつつある今、ファッション業界でも国内外で数多くのアパレルブランドが、サスティナブルを掲げて、製造過程の見直しや、より環境負荷の少ない製品開発に向けて工夫を凝らしています。

天然繊維は環境にやさしく化学繊維は悪だ、というイメージがあるかもしれませんが、一概にそうとは限らないのだとか。その繊維が「どこで」「どんな工程で」つくられているかによって、理にかなった作り方か否かを見極めることができるそうです。ただ、人工的に作られる化学繊維は、有限な資源である石油を主原料としていたり、自然に分解できなかったり、生産時に化学物質の使用が不可欠だったりと、環境面では天然繊維より劣る面が多くあるのは否めません。日頃から洋服を買う時に、なるべく天然素材の衣服を選ぶことが、私たちが暮らしの中で無理なく始められる環境への取り組みの第一歩なのかもしれません。

藍染をしながら天然藍の染め直しを学ぶ

座学が終わったら、早速染め直し作業開始。下道さんが主宰する「meets BLUE project」では、インドの職人さんの手によって抽出された天然藍を使用しており、今回のワークショップでも同じく天然藍をお持ちいただきました。藍とは、植物のタデを原料とした天然染料。 近年では、化学合成したインディゴ染料を使用したものも「インディゴ染め」「化学藍染め」として使われていることがありますが、天然藍に比べて色落ちが激しいのが特徴です。 また、天然藍がもつ消臭効果、細菌の増殖を抑制する効果、虫除け効果などはありません。 海外ではジャパンブルーとも呼ばれ、日本の伝統的な青色として重宝されています。

単色染めだけではなく、絞り染め、グラデーション染め、ムラ染にチャレンジされる方も!絞り染めをするときは、出したい模様を想定しながら、染める前に輪ゴムやビニール袋、洗濯バサミなどを使って素材を絞ります。

藍染めのワークショップは参加者の皆さんが染めたいものをご自身でお持ち込みいただきます。点数に制限がないので、思い思いの染め直したいものが集まりました!色あせてしまったカーディガン、天然素材でできたピアス、ウールの糸、レザーのお財布、染みのついてしまったTシャツやワンピースなどなど。今回染めなおしで蘇ったものたちをご紹介します!

ウールの糸はこんな素敵な表情に
レザーのお財布もアップデート完成!
こんな繊細なピアスも!?

本来絞り染めは、ある程度乾いたら絞りを取って出てくる模様を楽しむのですが、今回はあいにくの雨模様。絞りを開かないままお持ち帰りいただいた参加者の方が、ご自宅に帰ってから写真をお送りくださったので、絞り染めもご紹介します!

ワンピースの袖にはオリジナルの絞り模様が!
トップス全体を絞り染めにするとこんな素敵な仕上がりです

「染め直す」という選択肢を暮らしの中に

藍染めを通して、ものが新たな装いで復活してハッピーなのはもちろん、環境問題を考えるきっかけにもなりました。使わなくなってしまったものを、「捨てる」以外に活用できるスキルを身につけられると、モノを買うときの選び方も変わってくるかもしれません。西千葉工作室のワークショップでは暮らしをアップデートするための選択肢をたくさんご紹介していきます。今回「染めなおし」という選択肢を手に入れた参加者の方からは「藍だけではなく、いろいろな自然物で染めなおしにチャレンジしたい!」という声も聞こえました。

次回の藍染めワークショップは、秋に開催予定です。次回こそ、気持ち良いお天気のもと開催できますように!お気に入りだけど着なくなっちゃった服、ぜひ「染め溜め」しておいてくださいね!

このイベントに関わったスタッフ

高橋 鈴佳

スタッフとお客さんを面白がりながらお店をつくる人。ものづくりの場が人の暮らしとまちにどんな広がりを生み出せるか実験中。休日は安宿と銭湯をフィールドワークしています。

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