vol.3 BD・DVDレコーダー

「家電をなおす会」報告レポート イベント報告

2021年1月28日(木)

元エンジニアのスーパースタッフたちと一緒に家電をいじくりまわしてみる実験的なワークショップ・家電をなおす会。

今回は、2010年に発売された「シャープ製BD/DVDレコーダー・プレーヤーBD-HDW53」の修理についてです。「ハードディスクの映像は見れるけれどディスクへの書き込みができない。」とのことです。

こちらが今回修理するBD/DVDレコーダー・プレーヤー

症状からBD(ブルーレイ・ディスク)ドライブのレンズの汚れの可能性が考えられた為、分解して埃を除去しました。動作確認をしたかったのですが、ディスクがなかったので、その場で直ったかどうかわかりませんでした。
※後日メールで書き込みができるようになった、とお知らせをいただきました!

作業手順

それでは、修理の様子をご紹介します。

① 症状確認
今回は、未書き込みのディスクがなかったため、動作確認は電源が入ることの確認のみです。

装置の内部を覗いてみると。。

② 分解
側面と背面で固定してあるネジを外して上カバーを外すと、装置内部の主な構成要素が見えてきます。

手前にあるユニットがハードディスクドライブ(HDD)で、奥にあるユニットがBD/DVDドライブ(BDD)です。これらのドライブユニットは、赤いSATAケーブルと電源ケーブルで接続されています。このように、通常BD/DVDレコーダーでは、WindowsPCなどで使われているDOS/V規格のドライブユニットが使われいてます。左手前にある茶色の基板に部品が実装されているのが電源ユニットです。HDDやBDDの下にまで広がる大きな緑色の基板が処理基板で、LinuxなどのOSを搭載した制御部や信号処理回路などが実装されています。

BD/DVDドライブを取り外します

今回は、BDDの書き込みの不具合なので、BD/DVDドライブを取り外すのですが、前カバーを外さないとBDDが取り出せない構造になっています。このため、複数のツメで金属フレームに嵌め込んである前カバーを外してから、BD/DVDドライブに接続されているケーブルを外して、BD/DVDドライブを固定しているネジを外して、BD/DVDドライブを取り外しました。

カバーを取り外し中から出てきたのは。。。

さらに、BD/DVDドライブの側面のネジを外すと、ディスクを読み書きする光学系が見えてきます。

ジャジャーン!こちらが光学系周辺です

光学系の部分をクローズアップしたものです。

左下の円形の黒い部分がディスクを回転させるローターで、青いレンズがついていて両側から斜めのバネで支えられているクリーム色の部分が、光学系のフロントエンドです。この部分は、歪んだディスクの回転にサブミクロンの精度で追従するように制御されます。

写真からも分かるように、光学系の周辺には埃がたまっています。レンズの上にも目に見えないような小さな埃が乗っているかもしれません。

③処置

ポイントは刷毛でやさしく埃をクリーニングすること

この埃が原因かどうかはわかりませんが、掃除機で吸い取りながら刷毛で埃を取り除きます。

ついでに、装置内部の埃も同様にクリーニングしました。

内部までキレイにしていきます

④組立
分解した手順の逆に、元通りに組み立てます。

当日は確認用のディスクが無かったのでここで作業は終了となりましたが、後日ブルーレイディスク(BD)の書き込みが正常にできるようになったとのご連絡をいただくことができました!

スタッフ・ちはるの考察

一般的に、BD/DVD読み書き異常の主な要因には、次のようなことが考えられます。

  • 光学系の上の埃
  • 光学系の中の埃
  • レーザー光の経時劣化
  • 半田やコネクタなどの接続不具合

これらの中で、西千葉工作室でできるのは、光学系の上の埃のクリーニングや外観で分かる接続不良です。

光学系の中は、レーザー光の往路と復路を分離するための光学系やディスクとの位置関係を合わせる制御系などの光の波長より充分小さい精度が必要な超精密機構になっているため、分解組立のためには相応の設備が必要になります。

今回、光学系の上のクリーニングだけで直ったのはラッキーだったと言えるかもしれません。お客様はディスクはそれほど使ってないそうで、さらに埃の量から考えて、BD/DVDドライブの使用中に入った埃というよりは、装置の冷却のための吹き出しファンによって吸い込まれた埃ではないかと思われます。私の手元にあるUSBのBD/DVDドライブにはファンはついていません。BD/DVDドライブの中を装置冷却のための風が通らないような機構になっていると、このような故障は起こりにくいのかもしれません。

次回もお楽しみに!

次回の家電をなおす会

家電をなおす会は不定期で開催しています。「壊れて動かなくなっちゃた」とか「もっと便利に使うために、こんな機能をつけたい」とか「動きが面白いから、別のものにつくり変えたい」などなどアイデアは無限大!
そういえば、お家に使っていない家電が眠っている、なんてことありませんか?

西千葉工作室に持ち込んでご自身で手を動かして修理してみると、家電の新たな活用法を見つけられるかもしれません!
次回の開催日時&お申し込みはこちらのページからご確認ください。

(今回のレポート担当:松島)

このイベントに関わったスタッフ

松島 千治

元電子機器メーカーの先端技術の開発スペシャリストで、物理・電気・数学の応用が得意。現在は、個人投資家兼占いなどの自由研究家。機嫌の悪い日は殆どないので、何時でもお気軽に!

近藤 嘉男

ものづくりをこよなく愛する、西千葉工作室のお父さん的存在。ソニー(株)にてビデオカメラレコーダをはじめとする機器・電子楽器・ ロボットハンド等の研究開発に携わった経験から、豊富な技術と知識をもつ。

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